Quanta vita c'è

ジムでトレーニングしていたら、ラジオから懐かしい曲が流れてきた。



夫が日本での留学を終えてヴェネツィアに戻った年、の翌年だから1998年の曲だ。ヴェネツィアの実家から送ってくれたMDの中に、この曲も入っていた。
当時私達はまだ学生だった。
イタリア語を始めたばかりで歌詞は殆ど分からなかったけれど、サビの部分は簡単だったし、遠距離で寂しかった私はソニーのMDウォークマンでこの曲を聞き、メロディを口ずさんだ。
Quanta vita c'è.. quanta vita insieme a te

ジムから帰宅して、夫にその曲の話をした。
「ねえ、あなたならこのサビを日本語にどう訳す?沢山の人生...人生いろいろ、君と過ごせばってとこかなあ?」
と聞いたら、
「え、違うよ。このQuantaは数量詞じゃなくて感嘆詞だよ。なんて意味のある人生なんだ、君と過ごす日々はってとこでしょう。」
きょとんとした顔で夫は答えた。

なんとまあ!私はずっと「うさぎ美味しい蚊の山」状態でこの曲を口ずさんでいたのだった。

この件があったからという訳ではないのだが、私はようやく重い腰を上げてイタリア語を勉強することにした。

日々の生活の中で、学生に説明する時、アンとたわいもない話をする時、もっと的確な言葉出て来たらいいのにともどかしく思う瞬間が度々ある。
それはテニスのバックハンドみたいなものだ。練習してないんだから打てないに決まっている。楽なフォアで打てるように駆け回り、脚力ばかり発達させてしまった。

何冊か買った語学書は捨ててしまったけれど、初めて買った白水社の文法書は、今でも時折開くことがある。遠過去の部分は、住む予定だったヴェネツィアでは使われないと聞いていたので、dopo!(後で!)と書いて勉強しないままにしていた。あれから20年の月日が流れて、そのページをめくる。
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# by ayusham | 2017-03-04 07:52 | 日々のこと | Comments(0)

Pisces vale!

ヴェネツィアはカルネヴァーレの真っ最中!ヴェネツィア人が一番働く時だ。そりゃあもう一年分働く。

今週は仕事前ジムへ行った。その方が疲れ知らずで働けることに気付いてびっくりだ。

今日はひとまず、友達のレストランでお疲れ様ごはん。ここはとっておきの美味しいレストランのひとつ。

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Carne vale, et pisces vale!
Edo, ergo sum.
肉よさらば 魚よさらば!
我食べる、故に我あり。

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# by ayusham | 2017-02-26 04:58 | 日々のこと | Comments(0)

懐かしい場所

冷たい雨の中とぼとぼとミゼリコルディアを歩いていたら、アート・ギャラリーのウィンドウに一点、児童画が混じっているのを見つけた。
それは鉛筆描かれたワニで、白木の枠に丁寧に、可愛らしく収められていた。
ちょっと足を止めて、通り過ぎて、やっぱりなんだか気になって戻ったら、中にいるアジア人男性においでおいでと手招きされた。

アジア人男性が日本で生まれ育った方でないことは、その開放的な感じのよさと真っ直ぐな笑顔からすぐに分かった。
彼は日系ブラジル人2世で、1989年からずっとヴェネツィアで絵描きとして暮らしているという。児童画は彼のお子さんの絵だそうだ。
スタジオCODEX
彼の絵を見ていると、肉体から離れた自分の魂がヴェネツィアの街を漂って、故郷に帰ってくるような懐かしい感覚になる。児童画のワニもシンプルな線画なのになんだか見ていると自分がどこにいるのか分からなくなって、だから引き寄せられてしまったのだ。


「あなたは、キシさん。」
「ハイ、コウカキマス。(貴...)」
「ああ、この漢字は。関西の方ですね。」
「ハイ、コウカキマス。(貴志...)」
「大阪?いや、貴志川だから、和歌山?」
「ハイ、ワカヤマ!」
キシさんはありがとう、と言うようににっこり笑った。和歌山県は彼のお父さんの故郷だそうだ。
カンだけど多分、彼自身は一度も日本に行ったことがない。そのきっと行ったことのない、きっと大好きだったお父さんの故郷を、全く彼の情報を知らない他人がきちんと言い当ててくれたことに満足したようだった。
「お父さん、和歌山」
「ハイ、オトウサン、ワカヤマ」
私とキシさんは何度も繰り返して頷き合った。共通の感情は時に言語を越えていく。



昔、某歴史資料館に傘を忘れた。
受付で自分の名前を紙に書いて伝えたら、館長さんが出てきて(占い師ではない)「あなたのご先祖様は1500年前の大陸からの渡来人でしょう。」と言われた。
ここヴェネツィアでも、歴史学の先生から同じように指摘された。私の先祖は大陸の食器職人である可能性が高い。

多くの日本人は私の名字が読めない。書き方を口頭で伝えても伝わりにくいことが多い。
しかし、中国人に彼らの音で伝えると、一度で伝わる。
行ったことのない場所を懐かしいと言うのは変だけど、魂がふわっと、キシさんの絵のように視点を変える瞬間だ。
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# by ayusham | 2017-02-15 02:18 | Comments(2)

異国に住むとはこういうことだ

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いつか来る知らせはふいに訪れる人込みの中で携帯を見る
ああ異国に住むとはこういうことだ船待つ息はただただ白い
信仰を持つ人ならば駆け込むのだろうか霧のサルーテ教会
ぐるぐるとかき混ぜたなら朝食のカプチーノからこぼれるこころ
んで始まる言葉はすべて温かい んだから・んだべ・んでねえべっちゃ
東北に生まれた跡を亡くしても私に遺る故郷の言葉

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# by ayusham | 2017-02-10 20:10 | 日々のこと | Comments(0)

筋トレ女子

我が家から徒歩1分圏内にジムが二軒ある。

見学してみると、一軒は今風のお洒落な内装で、ピラティスやヨガを提供しているスタジオだ。金額設定や人の様子から、客層は優雅なマダムが中心のようだ。
もう一軒は夫も若かりし頃通っていた老舗のトレーニングジムで、ゴンドリエレをはじめ常連のヴェネツィア人だけでなく、意外にもアラブ、アフリカ、東欧系の若い男女もトレーニングに励んでいる。

「ねえ、あなたすっごくスタイルがいいけど、ダイエット目的じゃないよね。どうしてジムに通ってるの?」
トレーナーと談笑しながらウォーキングしている若い女性に声をかけたら、
「私達外国人労働者は体が資本だもの。体に投資しなくちゃね。」
独特のモルダヴィア訛りで彼女は答えた。

「私達外国人労働者」という言葉には「この私」も含まれている気がして勝手に仲間意識が湧いてしまったし、いろんな訛りのイタリア語で和気藹々とした雰囲気もよかったので、今年はこのトレーニングジムに通うことに決めた。

筋トレ女子の初心者メニューをトレーナーのピーノに立ててもらう。
推定35年前のピーノ
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※ウォーミングアップ
Exercise Bike 6min
※マシンを使った下半身筋トレ
Leg Press 40kg 15×2
Standing Gluteus 15kg 15×2
※バランスボールを使った腹筋トレ
Hamstring Curl 15
Hands Off 15
※マシンを使った上半身筋トレ
Chest Press 5kg 15×2
Shouldest Press 10kg 15×2
Vertical Traction 15kg 15×2
Vertical Row10kg 15×2
※有酸素運動
Cross Trainer 6min
Step Trainer 3-6 min
Walking 4.5hm/h 12 min

へなちょこレベルでお恥ずかしいのだが、これでも負荷は少し増えた。一ヶ月前は超へなちょこレベルであったのだ。

一ヶ月で得た豆知識と意識改革は以下の通り。
・筋トレの後に有酸素運動をする。これは筋トレのパフォーマンスを上げる為と脂肪を燃焼させる為。
・大きい筋肉から鍛える。
・インターバルは1分。これはだらだらとトレーニングしない為。
・ジム通いを仕事のスケジュールと同じ扱いにする。
・8時間はしっかり寝る。

この中で、一番大事なことは寝ることである。

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# by ayusham | 2017-02-05 04:38 | 日々のこと | Comments(0)