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Pisces vale!

ヴェネツィアはカルネヴァーレの真っ最中!ヴェネツィア人が一番働く時だ。そりゃあもう一年分働く。

今週は仕事前ジムへ行った。その方が疲れ知らずで働けることに気付いてびっくりだ。

今日はひとまず、友達のレストランでお疲れ様ごはん。ここはとっておきの美味しいレストランのひとつ。

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Carne vale, et pisces vale!
Edo, ergo sum.
肉よさらば 魚よさらば!
我食べる、故に我あり。

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# by ayusham | 2017-02-26 04:58 | 日々のこと | Comments(0)

懐かしい場所

冷たい雨の中とぼとぼとミゼリコルディアを歩いていたら、アート・ギャラリーのウィンドウに一点、児童画が混じっているのを見つけた。
それは鉛筆描かれたワニで、白木の枠に丁寧に、可愛らしく収められていた。
ちょっと足を止めて、通り過ぎて、やっぱりなんだか気になって戻ったら、中にいるアジア人男性においでおいでと手招きされた。

アジア人男性が日本で生まれ育った方でないことは、その開放的な感じのよさと真っ直ぐな笑顔からすぐに分かった。
彼は日系ブラジル人2世で、1989年からずっとヴェネツィアで絵描きとして暮らしているという。児童画は彼のお子さんの絵だそうだ。
スタジオCODEX
彼の絵を見ていると、肉体から離れた自分の魂がヴェネツィアの街を漂って、故郷に帰ってくるような懐かしい感覚になる。児童画のワニもシンプルな線画なのになんだか見ていると自分がどこにいるのか分からなくなって、だから引き寄せられてしまったのだ。


「あなたは、キシさん。」
「ハイ、コウカキマス。(貴...)」
「ああ、この漢字は。関西の方ですね。」
「ハイ、コウカキマス。(貴志...)」
「大阪?いや、貴志川だから、和歌山?」
「ハイ、ワカヤマ!」
キシさんはありがとう、と言うようににっこり笑った。和歌山県は彼のお父さんの故郷だそうだ。
カンだけど多分、彼自身は一度も日本に行ったことがない。そのきっと行ったことのない、きっと大好きだったお父さんの故郷を、全く彼の情報を知らない他人がきちんと言い当ててくれたことに満足したようだった。
「お父さん、和歌山」
「ハイ、オトウサン、ワカヤマ」
私とキシさんは何度も繰り返して頷き合った。共通の感情は時に言語を越えていく。



昔、某歴史資料館に傘を忘れた。
受付で自分の名前を紙に書いて伝えたら、館長さんが出てきて(占い師ではない)「あなたのご先祖様は1500年前の大陸からの渡来人でしょう。」と言われた。
ここヴェネツィアでも、歴史学の先生から同じように指摘された。私の先祖は大陸の食器職人である可能性が高い。

多くの日本人は私の名字が読めない。書き方を口頭で伝えても伝わりにくいことが多い。
しかし、中国人に彼らの音で伝えると、一度で伝わる。
行ったことのない場所を懐かしいと言うのは変だけど、魂がふわっと、キシさんの絵のように視点を変える瞬間だ。
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# by ayusham | 2017-02-15 02:18 | Comments(2)

異国に住むとはこういうことだ

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いつか来る知らせはふいに訪れる人込みの中で携帯を見る
ああ異国に住むとはこういうことだ船待つ息はただただ白い
信仰を持つ人ならば駆け込むのだろうか霧のサルーテ教会
んで始まる言葉はすべて温かい んだから・んだべ・んでねえべっちゃ
東北に生まれた跡を亡くしても私に遺る故郷の言葉

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# by ayusham | 2017-02-10 20:10 | 日々のこと | Comments(0)

筋トレ女子

我が家から徒歩1分圏内にジムが二軒ある。

見学してみると、一軒は今風のお洒落な内装で、ピラティスやヨガを提供しているスタジオだ。金額設定や人の様子から、客層は優雅なマダムが中心のようだ。
もう一軒は夫も若かりし頃通っていた老舗のトレーニングジムで、ゴンドリエレをはじめ常連のヴェネツィア人だけでなく、意外にもアラブ、アフリカ、東欧系の若い男女もトレーニングに励んでいる。

「ねえ、あなたすっごくスタイルがいいけど、ダイエット目的じゃないよね。どうしてジムに通ってるの?」
トレーナーと談笑しながらウォーキングしている若い女性に声をかけたら、
「私達外国人労働者は体が資本だもの。体に投資しなくちゃね。」
独特のモルダヴィア訛りで彼女は答えた。

「私達外国人労働者」という言葉には「この私」も含まれている気がして勝手に仲間意識が湧いてしまったし、いろんな訛りのイタリア語で和気藹々とした雰囲気もよかったので、今年はこのトレーニングジムに通うことに決めた。

筋トレ女子の初心者メニューをトレーナーのピーノに立ててもらう。
推定35年前のピーノ
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※ウォーミングアップ
Exercise Bike 6min
※マシンを使った下半身筋トレ
Leg Press 40kg 15×2
Standing Gluteus 15kg 15×2
※バランスボールを使った腹筋トレ
Hamstring Curl 15
Hands Off 15
※マシンを使った上半身筋トレ
Chest Press 5kg 15×2
Shouldest Press 10kg 15×2
Vertical Traction 15kg 15×2
Vertical Row10kg 15×2
※有酸素運動
Cross Trainer 6min
Step Trainer 3-6 min
Walking 4.5hm/h 12 min

へなちょこレベルでお恥ずかしいのだが、これでも負荷は少し増えた。一ヶ月前は超へなちょこレベルであったのだ。

一ヶ月で得た豆知識と意識改革は以下の通り。
・筋トレの後に有酸素運動をする。これは筋トレのパフォーマンスを上げる為と脂肪を燃焼させる為。
・大きい筋肉から鍛える。
・インターバルは1分。これはだらだらとトレーニングしない為。
・ジム通いを仕事のスケジュールと同じ扱いにする。
・8時間はしっかり寝る。

この中で、一番大事なことは寝ることである。

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# by ayusham | 2017-02-05 04:38 | 日々のこと | Comments(0)

釧路旅行~ジリは続くよどこまでも

世界湿地の日だそうだ。
湿原と言えば、夏に釧路へ行った。
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釧路湿原を散策することが目的だったが、滞在中釧路はずっと濃い霧に覆われていた。
ガイドさんによると、地元ではこの濃霧をジリと言うのだそうだ。
釧路では、年間およそ100日はジリが発生しているという。
湿原を歩いたというよりは、どこまでも続くジリの中をさまよっていた気がする。

居酒屋で隣り合わせた中国人観光客の家族は、全員ユニクロのライトダウンを羽織っていた。長袖は薄手のコットンパーカーだけ持ってきたことを後悔した。
私の知っている日本の夏は釧路にはなかった。

釧路では湿原よりも、駅前大通りの廃墟っぷりに驚いた。
どこの地方都市でも、シャッター街は珍しくはないけれど、あれだけの目抜き通りで見上げる大型ビルディングが一歩足を踏み入れたら剝き出しの地下の穴に落ちるような状態で放置されているのを見ると、ここは本当に日本かと思った。
そのまま桜木紫乃のホテルローヤルの世界です。

イタリアで1年間履いていた息子のスニーカーに穴が開いた。
新しいスニーカーが必要だったが、どれだけ歩いても靴屋はない、靴屋だったかもしれない場所しか見つからない。
やっとのことで結婚式にでも履いて行くような立派な革靴をデパート閉店セールの7割引きで購入した。そのデパートは駅前に残る最後の大型店で、8月いっぱいの閉店を控えて店員も殆どいなかった。ミラノアクセントの六十代と思われる夫婦が、がらんどうの店内を珍しそうに廻って歩いていた。
この夫婦とは、その後一週間の間にトロッコ列車で、幣舞橋の炉端焼きで、バスツアーで何度も顔を合わせることになる。ステレオタイプなイタリア人と違って遠慮がちな北イタリア人だったが、ここまで偶然が重なるとさすがにお互い打ち解け、ツアーでは一緒に行動した。
彼らは既に2度の長期旅行でそれぞれ関西、東京を廻って、今回は一か月かけて北海道を廻ることにしたのだそうだ。主要都市だけでなく利尻や知床へも行ったと言うから、釧路の廃墟など驚きもしなかっただろう。

ツアーガイドをしてくれたのは、地元に27年暮らす、ハキハキとお喋りな女性だった。
夏に札幌に出るのは熱中症が怖いと笑う。
「子どもの頃は『街へ行く』、駅前通りを歩くというのはわくわくする出来事で、デパートでショッピングしたり、映画を見たり、レストランへ行ったりしていたんです。」
「この仕事をしていると、地元の友達はみんな『観光客はみんな何しに釧路に来るの?』って聞いてくるんですよ。」
ジャスコドーナツ化現象で、今や人口は郊外に流れてしまったそうだ。

彼女は他にも、ガイドブックには書いてない地元の人の暮らしを話してくれた。
彼女が案内してくれた一日はとても楽しかった。
進めども進めども前も後ろもジリの中、
「こんな釧路が好きだから、この仕事を続ける。」という彼女の横顔は潔かった。

食べ物は何を食べても美味しかった。
釧路は日本のナポリだ。
ジリの幣舞橋は海風が冷たくて、炉端焼きで暖をとる。
水温が低い場所で育つ牡蠣は、夏でも栄養を取り込みながらゆっくり育つ。
松島の牡蠣と違って甘くて大きい北の牡蠣は、食べるというよりはツルンと私の喉を流れた。
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# by ayusham | 2017-02-02 16:44 | 旅行 | Comments(2)