昨夜、空を飛びました。

初めて自分が体から抜け出たのは、高校生の時。
友達が、「部屋の天井の二辺を平行のまま歪めてみようと思ったら、できるんだよ」と言うので、やってみたら、本当にできた。

電気の紐の長さ、クッションまでの距離を変え...
「抜け出ないように一生懸命頑張ってみるんだけど、どうしてもダメな時があるんだよ」
その通りだった。
でもその時は天井まで上がって、びっくりしてすぐ戻ってしまった。

あの時もっと遠くへ行ってみればよかったな...と後悔しつつ、十何年。

昨晩はいつもよりずっと早い時間にベッドに入ったこと(日本の家族も寝ている時間)、体調、気候などいろいろな偶然が重なった。

「上へ上へ」と意識しすぎてあまり横へ移動することはできなかったし、
壁抜けできないと嫌だからわざわざ窓から出たりしたが、
迷路のように広がる小路、水面に浮かんで揺れる街の灯、
上空から見下ろすヴェネツィアの街を私はこの先忘れることはないだろう。

飛べる人は是非、ヴェネツィアの夜空を飛んでみてください。
(そんなのできるか!という人は、せめてヴェネツィアに来る時は夜、空の便でどうぞ。)

日本の父にも会うことができた。
父は再会を信じずに、ただ同じ夢を見たと言うだろう。
父は川原でたき火をしていた。
父が黙っているので、何を燃やしているのかを私は訊ねなかった。

父に別れを告げ、雲の上に行ったら、月が輝いていた。
手をかざして、月の光を集めてみた。
満月。

だけどタイムアウトは思ったより早く来た。
体の方にちょっとだけ意識を戻したら、いとも簡単に、あれよあれよと引き戻された。

体に戻ってから、真夜中に夫に「今夜は満月でしょう?」と聞いたら
「何で分かるの。曇りなのに」と言った。

(雲の上に行ったからよ。)

夫は寝返りを打ち、規則的な寝息を立てた。
ただいまー


笑われることを覚悟で今日、友達のサビーナに話したら、やっぱり笑われた。

「でもアユーシャ、そういうことはきっとあるのかも。」
ボブに揃えたサビーナの黒髪が少し傾く。サビーナは話を続ける。

彼女は幼い頃、祖母のアンティーク家具が集められた部屋の中を自由に飛ぶ夢をよく見ていた。
手の届かない高い棚に置かれた壷を触ったり、温かいランプに触れたり...

最近になって家族にその夢の話をしたら、4姉妹とも全く同じ夢を見ていて、夢の内容が細かいところまで合っているので、もしかしたら幼い頃、私達は本当にあの部屋の中で飛び回って遊んでいたのかも、ということです。
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by ayusham | 2008-05-21 23:12 | 旅行
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