カテゴリ:日々のこと( 91 )

Quanta vita c'è

ジムでトレーニングしていたら、ラジオから懐かしい曲が流れてきた。



夫が日本での留学を終えてヴェネツィアに戻った年、の翌年だから1998年の曲だ。ヴェネツィアの実家から送ってくれたMDの中に、この曲も入っていた。
当時私達はまだ学生だった。
イタリア語を始めたばかりで歌詞は殆ど分からなかったけれど、サビの部分は簡単だったし、遠距離で寂しかった私はソニーのMDウォークマンでこの曲を聞き、メロディを口ずさんだ。
Quanta vita c'è.. quanta vita insieme a te

ジムから帰宅して、夫にその曲の話をした。
「ねえ、あなたならこのサビを日本語にどう訳す?沢山の人生...人生いろいろ、君と過ごせばってとこかなあ?」
と聞いたら、
「え、違うよ。このQuantaは数量詞じゃなくて感嘆詞だよ。なんて意味のある人生なんだ、君と過ごす日々はってとこでしょう。」
きょとんとした顔で夫は答えた。

なんとまあ!私はずっと「うさぎ美味しい蚊の山」状態でこの曲を口ずさんでいたのだった。

この件があったからという訳ではないのだが、私はようやく重い腰を上げてイタリア語を勉強することにした。

日々の生活の中で、学生に説明する時、アンとたわいもない話をする時、もっと的確な言葉出て来たらいいのにともどかしく思う瞬間が度々ある。
それはテニスのバックハンドみたいなものだ。練習してないんだから打てないに決まっている。楽なフォアで打てるように駆け回り、脚力ばかり発達させてしまった。

何冊か買った語学書は捨ててしまったけれど、初めて買った白水社の文法書は、今でも時折開くことがある。遠過去の部分は、住む予定だったヴェネツィアでは使われないと聞いていたので、dopo!(後で!)と書いて勉強しないままにしていた。あれから20年の月日が流れて、そのページをめくる。
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by ayusham | 2017-03-04 07:52 | 日々のこと | Comments(0)

Pisces vale!

ヴェネツィアはカルネヴァーレの真っ最中!ヴェネツィア人が一番働く時だ。そりゃあもう一年分働く。

今週は仕事前ジムへ行った。その方が疲れ知らずで働けることに気付いてびっくりだ。

今日はひとまず、友達のレストランでお疲れ様ごはん。ここはとっておきの美味しいレストランのひとつ。

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Carne vale, et pisces vale!
Edo, ergo sum.
肉よさらば 魚よさらば!
我食べる、故に我あり。

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by ayusham | 2017-02-26 04:58 | 日々のこと | Comments(0)

異国に住むとはこういうことだ

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いつか来る知らせはふいに訪れる人込みの中で携帯を見る
ああ異国に住むとはこういうことだ船待つ息はただただ白い
信仰を持つ人ならば駆け込むのだろうか霧のサルーテ教会
ぐるぐるとかき混ぜたなら朝食のカプチーノからこぼれるこころ
んで始まる言葉はすべて温かい んだから・んだべ・んでねえべっちゃ
東北に生まれた跡を亡くしても私に遺る故郷の言葉

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by ayusham | 2017-02-10 20:10 | 日々のこと | Comments(0)

筋トレ女子

我が家から徒歩1分圏内にジムが二軒ある。

見学してみると、一軒は今風のお洒落な内装で、ピラティスやヨガを提供しているスタジオだ。金額設定や人の様子から、客層は優雅なマダムが中心のようだ。
もう一軒は夫も若かりし頃通っていた老舗のトレーニングジムで、ゴンドリエレをはじめ常連のヴェネツィア人だけでなく、意外にもアラブ、アフリカ、東欧系の若い男女もトレーニングに励んでいる。

「ねえ、あなたすっごくスタイルがいいけど、ダイエット目的じゃないよね。どうしてジムに通ってるの?」
トレーナーと談笑しながらウォーキングしている若い女性に声をかけたら、
「私達外国人労働者は体が資本だもの。体に投資しなくちゃね。」
独特のモルダヴィア訛りで彼女は答えた。

「私達外国人労働者」という言葉には「この私」も含まれている気がして勝手に仲間意識が湧いてしまったし、いろんな訛りのイタリア語で和気藹々とした雰囲気もよかったので、今年はこのトレーニングジムに通うことに決めた。

筋トレ女子の初心者メニューをトレーナーのピーノに立ててもらう。
推定35年前のピーノ
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※ウォーミングアップ
Exercise Bike 6min
※マシンを使った下半身筋トレ
Leg Press 40kg 15×2
Standing Gluteus 15kg 15×2
※バランスボールを使った腹筋トレ
Hamstring Curl 15
Hands Off 15
※マシンを使った上半身筋トレ
Chest Press 5kg 15×2
Shouldest Press 10kg 15×2
Vertical Traction 15kg 15×2
Vertical Row10kg 15×2
※有酸素運動
Cross Trainer 6min
Step Trainer 3-6 min
Walking 4.5hm/h 12 min

へなちょこレベルでお恥ずかしいのだが、これでも負荷は少し増えた。一ヶ月前は超へなちょこレベルであったのだ。

一ヶ月で得た豆知識と意識改革は以下の通り。
・筋トレの後に有酸素運動をする。これは筋トレのパフォーマンスを上げる為と脂肪を燃焼させる為。
・大きい筋肉から鍛える。
・インターバルは1分。これはだらだらとトレーニングしない為。
・ジム通いを仕事のスケジュールと同じ扱いにする。
・8時間はしっかり寝る。

この中で、一番大事なことは寝ることである。

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by ayusham | 2017-02-05 04:38 | 日々のこと | Comments(0)

メソポタミアへの旅

息子が学校でメソポタミア文明を習い終えたところ、ちょうど近所で企画展が始まり、子供向けのツアーもあったので、家族で足を運んできた。
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楔形文字は葦を切ったもので書かれていたことは知っていたが、いまいちピンと来ていなかった。百聞は一見に如かずだ。
お月見で供えるススキのような柔らかいものではなくて、葦は直径2-3センチの、建築材にも使われたような丈夫なものを使う。

三角と半円に削った両端と、持ち手の三辺を使って、粘土板に押し当てていく。
沖積平野のメソポタミアには、粘土板の材料である泥土だけはそこらじゅうにあったのだろう。
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くるくる判子(円筒印章)のコーナーが面白かった!
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くるくる判子はシュメル時代初期には封印に、後代では契約に使われた。判子には所有者の名前や肩書と共に、ユニークな図柄が彫られた。図柄や素材に厄除開運の意味を込めていた辺りが、日本の実印の扱い方と通じる気がする。
そしてこの図柄、時代ごとに王様、セックス、闘争、神話、饗宴など流行があった。

饗宴をモチーフにしたラピスラズリの判子には、大きな甕にストローを刺してビールを飲む人々が彫られていた。
「楽しくなること、それはビール。嫌になること、それは軍事遠征。」(シュメル人の諺)
ギルガメシュ物語のエンキドゥもビールを飲むことで人間らしくなり、文明人としても認められたのを思い出した。
シュメル人には五千年後の現在のイラク、見せられないな。。。

ツアーの後の、ラボラトリオ。粘土でアクセサリーを作る。
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シュメル人は男性も装飾を身に付けたそうだ。
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この企画展、春までやってるので、また行くつもり。
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by ayusham | 2017-01-30 02:09 | 日々のこと | Comments(0)

ヴェネツィアを守る

高校時代バイトしてた地元図書館の館長は、「図書館が静かな場所であってはならない」と「静かに!」の注意書きを全部はがしてしまう人だった。
だから私も来館した小学生と自由研究の本を一緒に探してお喋りしたり、定期的に来る子育てサークルの読み聞かせにお客さんとして参加してげらげら笑ったりした。
楽しい図書館だった。

ここヴェツィアにも同じように静かにする必要のない子供図書館があって、国は違っても同じ場所があることにびっくりした。一言も「静かに!」と言われることなく、小さな息子をカーペットに転がしながら本を選んだ。日本の絵本でヴェネツィアの子供達に文庫もしたし、「ヴェネツィアは昔から異文化の交差する街だから」と司書のジョヴァンナさんには日本語図書まで購入して頂いた。

その子供図書館が今、本土移転の危機に瀕している。
昨年末、開館時間が月~木曜日までは午前中のみ、金土日は終日閉館と変更されたのを知った時、既に嫌な予感はしていた。子供図書館なのに放課後いつも閉まっている。

近年ヴェネツィアはベネトングループに買収された旧ドイツ商館(旧中央郵便局)がショッピングモールになったり、お洒落なカフェが次々オープンしたりしているけど、残念ながらそれらは市民の為の場所ではない。

市内で働くことで、職場と生活圏が重なることを心配したが、それも杞憂だった。
イタリアの普通の大学生は、ヴェネツィアで自由に遊ぶお金なんてないのだ。スーパーで買い物さえしない。ヴェネツィアの家賃は軽く一月分の給料を超えるから、学生数人で本土のアパートをシェアする。学生はアパートから持ってきたパスタ弁当を校舎の階段でつつましく食べる。

...誰の為の街なんだーーー!

このまま黙っていることもできないので、みんなで図書館移転反対の署名活動をすることにした。
今まで市内で図書活動をする人達と話したことがなかった。
ヴェネツィアを守る。もうuna foresta(外人)ではなくヴェネツィア市民として。
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by ayusham | 2017-01-28 06:48 | 日々のこと | Comments(0)

韓美林全球巡展

友人たちには「絶対観に行くべき!」と勧められ、場所も大学本部にありながらバタバタと通り過ぎていた韓美林世界巡回展にやっと、行ってきた。
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韓美林の名前は知らなかったけど、北京オリンピックや中国国際航空のロゴなどのデザインで既に私達に親しみがあった人だった。

アジアの芸術家だから、今度は私がいろいろ調べてアンに説明しようと思って調べて行ったけど、この巡回展を主催したのが彼女のオフィスであることを忘れていた。だから
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私がアンに伝えられたことは、韓美林の全ての作品に書の美しさがあること。
古代文字の中で、漢字だけが衰えずに脈々と生き続けていること。
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スタッフから「お土産に好きなコピーとぬいぐるみをどうぞ」と言われたので、干支の絵と子供達は幸運の虎をそれぞれほくほくと選ぶ。
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猫に狙われないところに置かなくては。
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by ayusham | 2017-01-21 02:14 | 日々のこと | Comments(0)

長靴を袋に詰めて


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長靴を袋に詰めて家を出る潮位九十五センチなれば



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by ayusham | 2017-01-13 16:56 | 日々のこと | Comments(2)

何事も起こらない人生

今年のべファーナ魔女は事前の打ち合わせ通り、色とりどりの甘いキャンディーではなく、靴下の中にぎっしりとナッツや果物を詰めて置いて行ってくれた。外の気温はマイナスが続いているけれど、魔女のお陰で我が家は風邪知らずだ。

最近、娘が人生を嘆いている。
「外見もパッとしないし、毎日家と学校の往復だけだし、特別なことも何も起こらないし、私の人生って平凡すぎる」そうである。
娘はニキビを吹き出しているけれど中学時代の私よりずっと可愛いし(と私は思っているけれど彼女からすると髪と目の色が不満で変えたいらしい)、努力できる環境にあるし(彼女からするといちいち親の期待を感じて自分の本当の気持ちが分からなくなるらしい)、両親は尊重しあっているし(彼女からすると「二人は何についても喧嘩ばっかしてる」のだそうだ)、こんな歴史ある美しい街に住めて(これは彼女も同意!)、もう十分すぎる程恵まれてると思うんだけどなあ。

今週日本では成人式があって、つくば市や那覇市で新成人が大暴れした。彼らに何が足りなかったのか?とも考えられるし、何かが足り過ぎていたのか?とも考えられる。
対照的に東日本大震災の被災地、南三陸町が「荒れない」成人式として取り上げられていた。二十歳の青年の式辞を、べファーナがくれたみかんの皮を剥きながら聞いた。

最近、私の周りでカップルが別居したり、元気そうな友人に大きな病気が分かったりして、私もショックを受けた。勿論、別居は友人たちにとってポジティブな解決策で、病気は早期発見と現代医療で治ることを信じている。被災した街は復興する。

ただ、何事も起こらないこと、普通を継続させていくことって文字通り「有難い」ことなんだなと思う。そんなことをしみじみ夫と話す。
娘に言っても、また何かつまらないことを言っているぐらいにしか思われないだろうけど。

神様は時々誰かの言葉に入りこんで大事なメッセージを運んでくる。
ある日、親友が仕事帰りに。
ある日、広州に住むメル友が深夜のチャットで。
今回のメッセージは娘に言ってるようで、私が私に言っているんだ。
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by ayusham | 2017-01-12 06:32 | 日々のこと | Comments(0)

2017年抱負

明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。

キキ3歳になりました。

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休み時間にに駅前のトイレに行ったら教室に戻れなくなる、という初夢を見ました。
舞台は何故か日本の山間の村でしたが、心のどこかで焦っているのかな?
それがおまえの深層心理だ!と言われれば、何でも当てはまる気はする。



2017年抱負を記します。年末に振り返った時に、自分に頑張ったで賞をあげられますように。

美味しいものを沢山食べたい+作りたい。
友達が簡単に作れるよ、と言っていたヴェネツィア料理をどしどし作ってゆきたい。
今朝早速ティラミス用のマスカルポーネとサヴォイアルディを買ってきた。
上手に作れたら、新年会でも披露するつもり。

美しいものに沢山触れたい。
先日ペーサロ宮では、アンが一番私に見せたかったという印象派の画家ホアキン・ソローリャの作品は外にお出かけしていて見られなかったのだ。
市内にある11の市立美術館へも足を運ぼうと思う。

ブログ名八年前の自分とは違っているから少し付け足す
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by ayusham | 2017-01-02 19:49 | 日々のこと | Comments(0)