カテゴリ:本・シネマ( 15 )

極東映画祭2017その3



「昼顔」☆☆☆
ドラマを観たから映画はいいか、と思っていたが映画はドラマの続編で、秘密の逢瀬の別れから3年後の二人。「初対面じゃあるまいし、上映開始1時間10分過ぎてやっとチューか!」とイタリア人達はツッコミを入れていた。会場の上戸彩さんは妖精のように可愛かった。



「SCOOP!」☆☆☆☆
ベテランパパラッチ(福山雅治)と新人パパラッチの笑いあり涙ありのアクションラブストーリー。文春砲が撃たれるまでのストーリーが面白い。リリー・フランキーさんが本物の麻薬常習者に見えた。福山さんの下ネタが観客にうけていた。



「ぼくのおじさん」☆☆
山下監督の最新作。原作は北杜夫の児童文学。う~む、有名になってしまうと業界からの縛りが出てきて、監督のの感性だけで作品を作るのは難しくなってしまうのか。しかしイタリアでは会場に監督と出演者、作品に子役と猫が出で来ると観客の反応がよくなる。



「Seclusion」☆
フィリピンの宗教ホラー。深夜上映だったのでみんな代わる代わる寝落ちしてしまったが、教会の悪魔少女が神父達に悪魔の洗礼をして、村中が悪魔化したらしい。私が観た時は聖母像や登場人物がみな口から真っ黒な液体を吐き出していた。日本人にとっての髪が伸びる菊人形とかそんな怖さかもしれない。



「PとJK」☆
少女漫画を実社化。警察官と女子高生のラブストーリー。観客席から退出者続出で拍手もなかった。こういう作品を海外の映画祭に持ってくるのはどうなのか。フリッパーズギターと脇役の江口のりこさんはよかったけれども。
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by ayusham | 2017-04-27 22:47 | 本・シネマ | Comments(0)

極東映画祭2017その2



「豬太狼的夏天 Mr Zhu's Summer」☆☆☆
中国の小学校の金八先生。熱血先生を救うために子供達の頑張りが可愛い。国家体制の違う隣国がぐっと身近に感じた。分かりやすい普通語での小学校授業風景もあり、中国語学習者にはお勧め。



「解氷 Bluebeard」☆☆
韓国のシリアルキラー作品。二つの異なる現実が並行して進行していく。上映後、友人達と誰が犯人でどういう流れだったかまとめてみたが、すっきりしない部分が多くう~ん、これは観なければよかった。



「オーバー・フェンス」☆☆☆☆
山下敦弘監督作品。函館の職業訓練校に通う人達とその家族を取り巻く物語。どこにでもいそうな隣人の、どこにでもありそうなストーリーが一番面白い。「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」が好きな人はこの作品も楽しめるだろう。山下監督は今回3作品出しているので、期待が高まった。

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「リアリズムの宿」☆☆☆☆☆
山下監督24歳の時の作品。成り行きで出会ってしまった男女3人のアテのないロード・ムービー。正体不明の女子高生役を演じたのは尾野真千子。
星五つのB級映画。こんな作品がイタリアの古都で上映されるなんて感無量である!
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by ayusham | 2017-04-26 18:39 | 本・シネマ | Comments(0)

極東映画祭2017その1

今年もウーディネ極東映画祭!
こちらの人と一緒に、これだけアジアの大衆映画を楽しめる機会はありません。



「裏切りの街」☆☆☆☆
パートナーを裏切ったと思ったら裏切られていた、だから、まあ...いいか、いいのか?
日本人特有の間を読むコミュニケーションがよく描かれていた。
出張中のパートナーを持つ友人達と、上映後「知らないでいた方がいい事実もある」と言い笑う。



「聖の青春」☆☆☆☆
29歳で早逝した棋士、村山聖の生涯を描いたノンフィクション。
トークショーに松山ケンイチ。役作りの為に20㎏増量。彼のストイックな役作りに感銘を受けた。



「彼らが本気で編む時は」☆☆☆☆
LGBTの家族や隣人をテーマにした作品。若い人達と一緒に観たい映画だ。
(今の時代、日本でLGBTの人がこんなにも「分かりやすく」いじめや差別に遭っているかなとも思うが、それくらい今まで扱われてこなかったテーマだと考えれば評価されるべきだろう。)



「六弄咖啡館 At Cafe 6」☆☆☆
台湾青春ドラマ。台湾人俳優の林柏宏が格好よくてきゅんきゅん!これから彼はビッグになるに違いない。
個人的には、台湾ドラマにも中国の普通語が入ってきてるのが勿体ないなと感じた。
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by ayusham | 2017-04-25 00:23 | 本・シネマ | Comments(0)

ジニのパズル

正月にAmazonのUnlimited(読み放題プラン)を解約した。読み放題は魅力だったけれど、読んでも読んでも心が満たされず私は栄養不足に陥ってしまった。ファストフードを食べ続けたり、好きでもない恋人をとっかえひっかえしたりするような、自分を消耗させる読書もあるのね...

年も改まって、本好きの友人が2016年に読んだ本のベストとしてあげた「ジニのパズル」を読む。

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筆者は1985年生まれの在日韓国人。
(日本では2016年5月にヘイトスピーチ法が成立したこと、同年7月にジニのパズルが発行されたことを心に留めておきたい)

芥川賞候補作である。
あまり推敲されていない、構成も特別に練られていないところが、賞を逃した理由かもしれないが、読者には受賞の有無など関係ない。その勢いこそがこの本の魅力でもあった。
数日かけて大事に読もうと思っていたが、作品の勢いにぐいぐいと引きずられて一晩で読んでしまった。


舞台はオハイオ州の高校、東京の朝鮮学校。合間に北朝鮮に帰国した祖父や家族からの手紙、ホームステイ先の絵本作家ステファニーのエピソードなどが挟まれる。
発達障害のジョン、聾唖のマギー、日本育ち北朝鮮国籍のジニ、とマイノリティの登場人物のパズルピースで少しずつジニのパズルは埋められていく。

ジニはでこぼこした扱いにくい性格であることを自覚している。
朝鮮学校では朝鮮語を一切覚えようとせず、テスト答案を全て「金正日、金日成」と書いて埋めてしまうなど、周囲からの反感をかうことは容易に想像できる。
それでも、いじめを途中で放棄してジニを放っておくユンミ、新しい生活になじめるよう親身になってくれるニナ、上級生のリンチを身を挺してかばってくれる男子クラスメイトのジェファン、朝鮮語の分からないジニの為に日本語で授業を進めてくれる教員達、勉強しないジニの退学を延ばすオハイオ州の校長など、この本はジニの壮絶ないじめ物語ではない。

このぐらいのマイノリティさだったら、私も外国人であり、日常的に生活の中での言葉や待遇の不自由さを経験している。冒頭のジニのように、ヘッドフォンをして雑音を入れず好きな音楽を聞いてやり過ごすことは、そう、きっと誰だってしているのだ。

しかし、ジニがある日、朝鮮学校で革命を起こすことで物語は展開していく。
きっかけは、毎日教室で眺めていた金一家の肖像画である。

自分の傷を言い訳に、よりよって最も大切な人たちを、傷付け、騙し、欺き、追いやり、日の当たらぬ闇の底へー自ら這いつくばって抜け出すしかない奥底まで突き落とした人間。それが私だ。

革命後、ジニは「社会のゴミ」となり、「隔離された、この世界からはすっぽり隠された空間」で、「宇宙のゴミ」である星と会話する。

「星は言った。もう会えないよって。だけど私を落ち着かせるようにして星は続けてこう言ったんだ。明日にはまた別の星が輝いているから大丈夫よ、って。わざわざ私が輝かなくても、別の星は必ず輝いているから、だから大丈夫なんだ、って」


ジニと一緒にパズルピースを埋めていくのが辛くもあったが、この本は想像していた社会派小説でなく、力強い青春小説だった。落ちてくる空を受け止めて、私達は時に輝いたり、ゴミになったりしながら、そしてまた輝く。言い訳を作って、輝くことから逃げるのはやめようと思った。
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by ayusham | 2017-01-06 18:16 | 本・シネマ | Comments(0)

ただいま+「のはらうた」工藤直子

長ひ長ひ夢から醒めてなほ浜の心地がしたり荷物解(ほど)けば


日本から帰ってきて最初の日は、目覚めた時ここはどこだっけと惑う。
ほんの数秒の間に、日本滞在の足跡を辿り、
寂しいような、自分の中に幸せがじわじわ広がってくるような不思議な感覚を覚える。

帰国前の3日間をヘビースモーカーの従兄の家にお世話になったせいか、ヴェネツィアに着いて荷を解いたら洋服が随分と煙草臭くなっていた。井戸水臭も。自分が吸っている時でさえ煙草の匂いは苦手だったんだけど、何故かそれは嫌じゃなかったな。従兄と夫、従兄の子ども達とうちの子ども達がすっかり打ち解けて、大切な人たちが繋がっていくのが嬉しかったです。
しばらく日本に帰っていなかったので過去を懐かしむことが増えていたけど、未来を渡していくという視点ができました。


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娘が学校に楽しく通うのに影響を受けて、息子もおべんきょうを始めました。
今日からは暗唱を。

やわらかく うたいつづけて
かぎりなく ゆれるすがたよ
みおろせば はるかなるうみ
あのうみは ぼくのふるさと

 
「うみよ よびかけのうた」より
導入期は一挙一動が可愛い!私は真面目な指揮者みたいに頑張ります。
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by ayusham | 2012-07-27 05:24 | 本・シネマ

「短歌の作り方、教えてください」俵万智×一青窈

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「短歌の作り方、教えてください」俵万智×一青窈

シンガーソングライターの一青窈さんが短歌を詠み、それを俵さんが添削し、それを受けて一青窈さんが推敲作を提出するという、往復書簡。短歌一年生の一青さんが怖いもの知らずの勢いでガシガシ詠んでいくのを、俵さんが学校の先生みたいに手ほどきしてくれて分かりやすい。
サラダ記念日のイメージから俵さんは前衛的な歌人と思っていたけど、定型を大事にする人なんだな。






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「河野裕子読本」

河野さん語録
・大事なことは言わない。言いたくてたまらないところが歌をだめにしてしまう。読むほうもしんどい。
・たくさん作る。一年に千首ぐらい、歌のできばえは気にせんと、ぱーっと作る。
・感動と表現の出来はたいてい反比例する。思い入れの強さが歌の力を弱める。

ぐさぐさ刺さるー。
河野さんの歌集はイタリアに戻ったら読んでいくつもり。
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by ayusham | 2012-07-12 23:11 | 本・シネマ | Comments(5)

「桃太郎」芥川龍之介

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鬼の立場から書かれた大人版「桃太郎」。平和を愛する鬼たちが静かに暮らす鬼が島を桃太郎とお供の動物達が突然やって来て侵略し殺戮してゆく。しかし、それは人々の間では正義の為の戦いとして伝えられる。情報は都合の良いようにねじ曲げられ、勝者側の立場でしか語られない。
最初と最後の章が桃の木の描写になっていて、「蜘蛛の糸」みたいに視点が変わって現世を突き放すような感じ。平成バージョンでは桃太郎が真っピンクに描かれているのが衝撃的だったので、電子版にはなかったけど載せてみる。

「ももたろう」を読んでもらって安心してスヤスヤ眠っている息子の寝顔を見ながら、こんな世界を手渡したくはないなと考えさせられました。
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by ayusham | 2012-03-17 07:54 | 本・シネマ | Comments(4)

「視覚ミステリー」ウォルターウィック

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100冊の本子ども達と大事に読んでいってます。
自分では絶対購入しなかっただろうなという本も来たのが嬉しい。

この「視覚ミステリー」もそんな一冊。
安野光雅さんの不思議な絵のようなものかと思いきや、この本の写真はどれもカメラの前の「実物」なのです。自分の頭が勝手に作り出した世界を一度捨てて、発想力を持たないといけない。対象低学年〜中学年では勿体なく、ガチガチに固まった大人の頭にこそ必要な本だ。

夕食の後、みんなで本をくるくる回しながら自分達の思い込みに大笑いした。
息子には錯覚が置きていることが分からなくて、でも私達に合わせて笑ってる様子が可笑しくてまたまた、笑ってしまった。(可哀想だったので、寝る前にはだるまちゃんの本を読みました)
娘には「ママこんなに笑ったの初めて見たー」と言われた。

思い込んでたことが、ちょっと視点をずらすと全然違うことだと気づく。
絵本だけでなく、身の回りの出来事でこんなこといっぱいあるのかもしれない。
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by ayusham | 2012-03-08 07:02 | 本・シネマ | Comments(4)

子どもの本100冊

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伊藤忠記念財団さんから子ども文庫へ小学校中学年の本を100冊助成して頂けるとクリスマスメールを受け取り、待ちに待っていた本たちが先週、今週と届いた。関税がかからないようにSAL便で3回に分けて送って頂いた。よろよろと段ボールを抱えて階段を上る、その重さに感激する。

家庭文庫や地域文庫で20年以上活動を続けてきた方々が「子ども達に読んでもらいたい本」「子ども文庫で読み継がれている本」として選んだ本だけあって素晴らしい選書だ。今、子ども達に送ることのできる最高のプレゼントだと思う。

本の力はすごいよ。日本語がかたことの子も、こないだ「ヤカちゃん」の本を読んだら「もっともっと!」と言っていたから。「ながいながいペンギンの話」は私が3年生の時、お昼休みにクラスの男の子が読んでたなあ。サッカー少年で決して読書家というタイプではなかった、本が面白すぎたとしか思えない。

伊藤忠さん、ありがとうございました!
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by ayusham | 2012-02-25 19:08 | 本・シネマ | Comments(4)

「猫の客」平出隆

昭和の終わりって、振り返れば手が届きそうだけど、私達も忘れ始めている時代かもしれない。

可愛がっていた猫は隣家の飼い猫ゆえ、お墓参りすることも叶わない。
夫は妻の為に、引っ越し先を猫が眠る欅の木が見える場所にしようと決める。
窓からの遠い眺めがあれば、ゆっくりとした忘却に身をまかせていけるだろう。

人の心に寄り添うということ。言葉にすると簡単だけど、人の心はみんな違うのよね。
映画のような出来事はなくて、日常を丁寧に書かれた私小説が、心に沁みた。

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さて、今から高校時代の友人を空港まで迎えに行きます。
ストに巻き込まれてへとへとだと思う。
ようこそ〜我が家へ!
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by ayusham | 2012-02-16 21:41 | 本・シネマ | Comments(0)