塔2017年3月号作品2欄評

特売のゴキブリハウスあきまへん皆さんぞろぞろ出ていかはるよ 小山美保子P67

職場で陰口を言うなと、男性上司から(であろう)の御達しがあったことに続く歌。お喋りしながらでも、いやお喋りしてこそはかどる仕事、お喋りなしでは心身を壊す仕事だって世の中にはある。現場を知らない男性上司こそ、特売のゴキブリハウスなのだ。あきまへん、いかはるよ、は関西の言葉だろうか。あの虫が大嫌いな私にも、関西の言葉は南伊の女の放つ言葉のように清々しく逞しく響く。


ユニクロで買ひしミッキーのTシャツは幾度着ても思ひ出のなく 香西柚茉P81

リシマキアの苗を買って帰宅する頃にはその名前を忘れ、肉じゃがの作り方さえグーグルに問い、ああ東京暮らしのなんて目まぐるしいことか。なんの思い入れもなく購入して、思い出さえも残さないTシャツの一枚もあるのだろう。印象を詠う歌が圧倒的に多い中で、その逆を詠んでいるのが新鮮だ。


海側の旧線という言葉さえ思い出さねば見る夜の海 横田竜巳P150

常磐線再開に伴う代行バス廃止を詠んだ歌。常磐線再開は被災地にとっての悲願であったが、5年半という代行バス期間にも日々の生活はあった。被災地の海岸線を代行バスで走る時、海ではなく、あの津波が来なければ旧線とそこに続くはずだった暮らしを眺める。「歌詠みが歌に残しておかねば」という思いに深く感謝したい。

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# by ayusham | 2017-04-18 05:15 | 歌評 | Comments(0)

ムラノ島ガラスミュージアム

フェイスブックの「XX年前の今日」という機能で、偶然にも2年前の今日もムラノ島ガラスミュージアムに来ていたことが分かった。

学生時代バイトさせてもらっていたギャラリーのオーナーに挨拶をしてから、いざガラスミュージアムへ。

ムラノガラスの製作過程を説明する部屋が新しくできていて、現代ガラス作品は新しくなっていた。

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学芸員さんが日本人作家の作品もあるわよ、と案内してくれた。
ミシマ・リツエ 作
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ヨシダ・キミコ 作
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桜、うつくしい
この作品は帰宅してからもずっと私の心に残って、泣きそうだ
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庭へ出てみる。
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シェスタする海月...(作品名を考えてみるなど)
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歴史的建造物とモダンアート、有機物と無機物、西の世界と東の世界の組み合わせがヴェネツィアらしい空間であった。



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# by ayusham | 2017-04-17 20:59 | 日々のこと | Comments(2)

イースターバニー

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イースターバニーは異教徒の私にもちゃんと春を連れて来た
連れて来なかったら丸焼きにして食うつもりだった
去年のイースターはある問題に本当に悩んでいたが
バスに揺られながら、去年からしっかりと一年が過ぎたことを実感した


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# by ayusham | 2017-04-13 06:02 | 日々のこと | Comments(0)

ことばの忍術経典

中国語中級クラスに通っている。
中国語学習の楽しさをしつこく説いていたら、友人のアレッサンドラも私に押されて昨年の秋から初級クラスに通い始めた。

昨夜はアレッサンドラ、彼女と同じく初級コースに通う仲間たちと王老師を囲んでホームパーティをした。
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初級クラスの一人が、中国語の発音が難し過ぎるという話を始めた。
「そもそも子音が21もあって覚えられないよ。」
「あら、それならイタリア語は30以上あるから、イタリア語の方が難しいということになるわ。」
「いや、声調があるから単純計算でも4倍になるんだよ。もう聞き取れやしないよ。」

そこで私自身も何年経ってもイタリア語のBとVを完全に聞き取れないことを話した。
「でもおかしいな、君は完全にBとVを区別して話しているじゃないか。」
「それは私がその単語を知っているから、意識して発音できるだけ。知らない単語は区別して発音できないし、聞き取りもできないよ。」
「そうか、それなら君の知らないであろう単語で本当に区別できないか試してみようじゃないか。」

そう言って友人は、分厚い医学用語辞典を取り出して、その中から難解な単語を拾い出した。
「Bxxxx、 Vxxxx、さあどっちだい?」
と聞いてきた。
「残念ながら、唇の動きを見て区別出来てしまうよ。」

彼は腕組をして少し考えた後、くるっと私に背中を向けて
「Bxxxx、 Vxxxx、さあどっちだい?」
と聞いてきた。
「残念ながら、閉鎖音と摩擦音の長さで区別できてしまうよ。扉をバタンと閉めるより、床を引きずりながら閉めると時間がかかるでしょう。」

友人は今度はううむ、と唸って携帯アプリでメトロノームのアップテンポを設定し、私に背中を向けてラップ調で
「Bxxxx! Vxxxx! Byyyy! Vyyyy! Bzzzz! Vzzzz! さあ!どっちだい?」
と詰め寄ってきたので、
「それじゃあ私達イタリア人だって分からないわよ!大体それ、どこの国の言語なのよ!」
とみんなでお腹を抱えて笑った。

私達がたどり着いた結論として、母語話者でない者の多くは、完全に聞き取れない音はいつまでも存在し続ける。それを補う為に、知らない間に様々な術を身に付けているということだ。

正しい型を自分に与え続けると同時に、忍術経典も更新していくのが大事なのである。

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# by ayusham | 2017-04-02 17:27 | 日々のこと | Comments(0)

今年も塩釜桜

今日からサマータイム。
昨年の311にキオッジャ市で植樹された桜を見に行く。

キオッジャへはバス、そのバスごとカーフェリー、そして水上バスを乗り継いで行く。

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八重桜満開。

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こちらは葉桜へ。
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天気予報は怪しかったけど、晴れ間のうちにお花見ができてよかった。故郷の桜はほんとにいいものだ。港のレストランでお腹いっぱい食べた。

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# by ayusham | 2017-03-26 21:50 | 日々のこと | Comments(0)