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アイスバケツはかぶらないけれど

今年も日本へ帰国した時に娘を出産した病院で婦人科検診を受けてきた。
イタリアに戻ってすぐ母から「検診結果が届いたので開封したところ、子宮頸がん要精密検査でした。心配なのですぐ病院に行くように!」と電話がきた。

ひええ。電話を切った直後から、いろいろなことを考えた。

私が旅立った後、まずは残される子ども達のこと。
彼らが希望するだけの高等教育を受けられるよう遺言に残さなくては。息子は今ピアノに夢中になっているのでその情熱を保てるようサポートして欲しい。あ!その前に、彼はまだ立って用が足せないんだった。
夫は仕事と子育てとの両立で、悲しみに暮れる暇はないかもしれないが、逆にその方がいいかもしれない...新しい奥さんの為に結婚式アルバムでボツにした式の写真は全部処分しよう。いや、夫はイケメンでも資産家でもないから新しい奥さんは来ないかも。じゃあ今のうちにしっかり和食の基本を叩き込んで一生食事に困らないようにしてあげなきゃ。

待てよ、旅立つまでの治療方針も考えなくてはと思い直した。検診センターに自分の検診結果を問い合わせた所、「細胞の軽度異形成」とのことだった。暑さでタブレットカバーが伸びたように、私の細胞も日本の夏バテで伸びたか。

どういうこと?異形成って何?
よく分からなかったのでネットで自分なりに調べてみて分かったことは、

・子宮頸がん0期に入るまでには細胞の軽度・中度・高度異形成という数年を
 かけての段階がある
・軽度〜中度異形成の間は自己免疫力での可逆があり、軽度の90%は正常に、
 中度の90%は軽度に回復する
・定期的に婦人科検診を受けていれば上記の経過観察ができ(←ココが大事!)
 がんに入る前の高度異形成で対応できる

ということだった。
アイスバケツはかぶらないけれど_f0215198_543662.jpg

                   LSIメディエンスさんから画像を借りています

毎年婦人科検診を受けていながら、私は子宮頸がんを発症するまでにどんな段階が存在するのか、それぞれの段階でできる最善のことはどんなことなのかを全く知らないでいた。
幸い軽度異形成の90%は自己免疫力で自然治癒するらしい。
でもこれらのことを知ったからには伝えなければと、大切な友人にメールを書いた。
一年に一度必ず婦人科検診に行くこと。

アイスバケツはかぶらないけれど、誰かにリレーのバトンが届くようにここにも記事にしておきます。

母に書くメールは我の為でもあり書き足りなくて何度も送る
九割は可逆もありとべゼスタの分類表の矢印を囲む
用意した数値五十の日焼け止め開封せぬまま八月は過ぐ

by ayusham | 2014-08-30 05:35 | 短歌